島津製作所は,X線テレビシステム「SONIALVISION G4(ソニアルビジョン ジーフォー)」による透視画像(動画)で,内視鏡検査で用いる微細なデバイスを鮮明に映し出す新たな画像処理技術「DeEP(ディープ)」を開発した(ニュースリリース)。
胆管・胆のうや膵管に結石やがんなどの疑いがある場合には,内視鏡による検査が行なわれる。X線透視画像で体内を確認しながら内視鏡を操作し,造影剤を注入して観察され,病理検査が必要な場合は組織の採取も行なわれる。
「DeEP」は,この内視鏡検査で用いる微細なデバイス(ガイドワイヤ,メタリックステント,チューブステント)を透視検査時の微量なX線照射量でも鮮明に映し出せる技術。体内に挿入したデバイスの状態を,従来よりも容易に把握できることから,医師の負担が軽減され,よりスムーズに手技を行なえる。検査時間の短縮,X線照射量の低減にもつながる。
同社は,X線でとらえた情報の中から周波数の違いを利用して,医師が特に必要とするデバイスの映像をより強調して鮮明に表示する技術開発に取り組んできた。この技術を京都桂病院の消化器センターが評価し,完成させた。
患者の負担軽減など医療の進化のために,医療現場ではより微細なデバイスの使用が進められ,それを支えるためのより付加価値の高いX線画像が求められている。同社は開発した画像処理技術は,胆管・膵管の検査だけでなく,消化器系の他の検査や,血管の検査などへの応用も期待できることから,その実用化を進めていくとしいてる。