コニカミノルタ,ハンディ型ガス漏れ検査装置発売

コニカミノルタは,業界で最小かつ最軽量の「ハンディ型ガス漏えい検査システム」を2022年3月に発売する(ニュースリリース)。

プラントの火災事故は,経済的損失だけでなく,人命に関わる甚大な被害を引き起こす可能性がある。特に石油コンビナートや発電所では,火災の原因となる可燃性ガスの安全管理が大きな課題となっている。

また,日本国内では,高度経済成長期に建設されたプラントが多く,インフラの老朽化が問題視されている。熟練保全員の減少,高齢化が進んでおり,経験とノウハウに頼ったプラント運用に限界が近づいている。

同社は,赤外線を利用した高度な光学技術と最新の画像処理技術で炭化水素系ガスを“見える化”し,発見困難なガス漏れ箇所の特定や煩雑なデータの記録管理を支援する「ガス監視ソリューション」を提供している。

新製品は,「ガス監視ソリューション」の検査機能を1台に収めたコンパクトモデルで,パソコンやモニターに接続することなく検査を行なえるため,どこにでもすぐに持ち運ぶことができ,日常点検や災害時の初期スクリーニングの効率化に役立つ。

このシステムも含め,同社の「ガス監視ソリューション」では,目に見えないガスを赤外線カメラで捉え,カラーマップ化し,実際の映像の上に表示することで,ガスの存在と分布が直感的に分かる仕組みになっている。

これにより,ガス検知器だけでは困難なガスの漏えい箇所の特定が迅速に行なえる。また,ガスの無い場所を確認しながら漏えい源へ近づいて処置することができ,安心で安全な保全作業に貢献する。

また,ハンディ型では広角赤外レンズを採用。これにより,一度に広範囲を確認できるだけでなく,狭い場所での撮影もスムーズに行なえ,オペレーションを効率化する。さらに,業界最小かつ重さ約2.5Kgの業界最軽量を実現することで可搬性や機動力を高めた。

また,グリップを握りやすくするなど操作性にもこだわったデザインを採用しており,画面切り替えや記録操作も,現場で手袋をしていても押しやすいボタン形状と配置によりスムーズに行なえるという。

さらに,ハンディ撮影のほかに三脚固定撮影も可能で,状況に応じて最適な撮影モードを選ぶことができる。タブレットやスマートフォンなどにWi-Fiで接続し,現場から離れたところから画面映像を確認することもでき,より安全に配慮した作業が可能になるとしている。

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