神戸大学イノベーションは,半永久的に変色・退色しない構造色カラーインク材料を開発した(ニュースリリース)。
従来の顔料や染料は,発色する色素原子が徐々に分解され,変色・退色することが実情だった。
また,色素を用いない構造色の発色手法が注目されているが,発色の角度依存性が高いことや,高解像度が実現できないことが課題となっていた。
このインクに使用する原料は,環境にやさしく,化学的に安定な結晶シリコンナノ粒子。発明者らは,真球に近い形状のシリコンナノ粒子を作製する技術をもっている。これらの粒子を粒径ごとに分離し,個々が発色する原理を利用して,構造色カラーインク材料を開発した。
通常の構造色とは異なり,個々のナノ粒子が発色源となる為,半永久的に変色・退色しないことに加え,観測角度に依存せず,高解像度であることが特長とする。また,シリコンナノ粒子が,分散溶液(インク)を形成する為,大面積へ印刷・塗布することができるという。
この材料は,塗料・顔料のようなカラーインク用途から,印刷・化粧品・バイオ材料用途まで,幅広い用途での応用が可能。また,高解像度である特徴を生かし,マイクロディスプレーへの応用も期待できるとしている。