NEC通信システムは,3Dセンサーやタブレット端末を活用し,電柱・電線などの設備点検作業の安全かつ効率的な実施をサポートする離隔計測技術を開発した(ニュースリリース)。
人口減少社会に突入する中,電力や鉄道業界などにおける作業員の高齢化や人手不足が特に深刻化している。さらに高所作業車を使用した作業の安全確保も必要となっており,ICTを活用した業務の効率化が喫緊の課題となっているという。
同社が開発した技術では,3Dセンサーで撮影した画像上で計測したい2点の対象物を選択するだけで,2点間の距離を計測できる。対象物の一部が樹木などの障害物に隠れている場合でも,推測して2点間の距離を計測作業が可能だとする。
この技術を使えば電柱や支線を認識して離隔距離を自動で計測したり,3Dセンサーで撮影した3次元点群データ上に,電柱や電線を設置するシミュレーションができるため,点検業務のデジタル化,ペーパレス化などのDX推進に貢献できるという。
また,高所作業車などを使わずに,高い場所にある設備について,3Dセンサーを使用して危険エリアに近づくことなく正確かつ短時間で計測作業を行なうことが可能。通行止めや通行制限をすることなく作業を実施できるため,作業者の人数を削減することができる。
さらに,3Dセンサーとタブレット端末といった持ち運びしやすい機材を使用して計測作業を行なったり,タブレット端末の画面で3Dデータを確認しながら簡単な操作で計測作業を実施できる。撮影した3Dデータを保存すれば,現場を再訪せずに再計測することも可能。同社は,2021年度中にこの技術の製品化を目指すとしている。