ディスプレイ広告を製作するG-Smatt Japanと奈良県立医科大学は,可視光線405nm波長のLEDによる新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の不活化効果を確認した(ニュースリリース)。
研究グループは,可視光線405nmの波長のLEDを用いて,時間による不活化の効果を検証した。実験は,シャーレに新型コロナウイルスを塗抹乾燥させたものを使⽤し,試験品から指定された位置(50cmの⾼さ)に試験⽚を設置した。
作⽤時間後にSCDLP培地を試験⽚に滴下させ,ウイルスを回収した。回収液を⽤いてVero E6細胞に感染させ,ウイルス感染価をプラーク法にて測定した。3⽇培養後に細胞を観察し,ウイルス感染価ならびにウイルスの不活化効果を算出した。
この試験品に感染価1.61×105PFU/sampleの新型コロナウイルスを接触させると,5分で69.577%の新型コロナウイルスの不活化がみられ,時間経過と共に感染価は減少し,360分後には99.892%の新型コロナウイルスの不活化を確認した。
また様々な菌類(大腸菌,黄色ブドウ球菌,肺炎球菌,MRSA,サルモネラ菌)についても検証を行なった結果,照射時間にもよるが,24時間以内に99.9%の殺菌効果を検証したとしている。
これは,紫外線(UVC~UVA)と異なる可視光線405nmの光が持つ特長で,人体に無害で菌の殺菌やウイルスの不活化に効果がみられることから世界的に導入が進められているという。また,この製品はIEC62471(国際電気技術委員会による光生物学的安全性規格)のEXEMPTを取得しており,人体に無害であると判定されているという。