ニコンら,360度トラッキング光無線通信技術開発

ニコンとソフトバンクは,光無線通信技術の新たな利用シーンの創出を目的として,AI(人工知能)技術,画像処理技術,精密制御技術を活用することで2台の通信機が双方向で360度追尾可能な「トラッキング光無線通信技術」の合同実証に世界で初めて成功した(ニュースリリース)。

これまで電波通信では高速・大容量化を追求するため,波長の長い電波から波長の短い電波へと活用が進んできた。5Gに至っては,従来レーダーなどの限定された用途で利用されてきた,波長が極めて短く光に近い性質を持つミリ波の活用が進んでいる。

さらに,今後到来する6G以降の世界では,ミリ波よりも波長が短く,ミリ波と同様に用途が限定されていた“光”の活用も期待されている。しかし,光は電波よりも極めて直進性が高く,電波と異なり水中は透過するが物体は透過しないという性質を持つため,光の活用には見通し(LOS:Line of Sight)の確保と通信機同士の双方向トラッキング技術が必須となる。

そこで両社は,培ってきた技術を活用して光無線通信機同士が双方向にトラッキングし,途切れることなく通信可能な技術の検討を進め,AI技術,画像処理技術,精密制御技術を駆使して水平方向360度,垂直方向50度の追尾性能を持つトラッキング光無線通信機を開発した。2台の通信機が互いに捕捉することで光軸を合わせ,通信機それぞれが移動しても途切れずにデータ通信する実証に成功した。

今回の実証では街中での活用を見据え,安全なLED光無線通信機(通信距離:100m,通信速度:100Mb/s)での実証を行なったが,今後,高出力なレーザー光を用いることによる長距離化や高速化,小型化により,車車間通信や路車間通信,無人搬送車などの産業用ロボットやドローンとの通信,電波が通らない水中での無線通信といった,より専門性の高い領域で新たな市場創出が期待されるという。

両社は,このような新領域の市場創出実現に向け,引き続き研究開発および実証を進めていくとしている。

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