凸版,曲率半径1mmの薄膜トランジスタを開発

凸版印刷は,曲率半径1mmで100万回屈曲可能な高可撓性/高耐久性と高キャリア移動度を兼ね備える新規構造フレキシブル薄膜トランジスタ(Thin-film-transistor,以下TFT)の開発に世界で初めて成功した(ニュースリリース)。

近年,折り畳み式スマートフォンなどに利用されているフレキシブルエレクトロニクスは,ウエアラブルセンサーや遠隔患者モニタリングをはじめとする医療機器,スマートパッケージ,電子テキスタイルといった消費者向け製品などの幅広い用途で,その開発が期待されている。

フレキシブルエレクトロニクスのTFTとしては,可撓性や軽量性などの点から有機TFTが有力視されているが,キャリア移動度が低く,信頼性や耐久性に劣るなど多くの課題が残されている。一方でシリコン系や酸化物の半導体からなる無機TFTはキャリア移動度が高く,量産工程も確立しているが,可撓性には改善の余地がある。そのためキャリア移動度と可撓性,耐久性すべての特性を満たすTFTの開発が切望されている。

このような課題に対し,同社は独自の成膜技術/印刷技術/フィルムハンドリング技術を駆使し,シャープペンシルの芯に巻き付けられるような高可撓性,フレキシブルプリント回路基板並みの高耐久性,そしてテレビなどで広く使用されるアモルファスシリコンTFTの10倍以上の高キャリア移動度を兼ね備える新規構造フレキシブルTFTの開発に世界で初めて成功した。

量産適用されている技術を活用した全く新しい構造により,トランジスタとしての優れた電気特性だけでなく,高可撓性/高耐久性を有する。具体的には以下の通り。
・可撓性/耐久性:曲率半径1mm/100万回の屈曲試験前後で,キャリア移動度の変動等,特性の変化は観察されず
・キャリア移動度:10cm2/Vs

同社は,製造技術の開発を進め,新規構造フレキシブルTFTの可撓性や耐久性,キャリア移動度など特性をさらに向上させるとともに,フレキシブルセンサーの用途開拓を進めるとしている。

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