日亜化学工業は,照明機能と除菌機能を合わせもつ白色LED「NF2W585AR-P8」の製品化に成功した(ニュースリリース)。
昨今,世界中でCOVID-19によるパンデミックが深刻な問題となっている。そのような中,合併症の観点からもウイルスだけでなく,普段の生活環境に存在する細菌にも細心の注意が必要であり,その代表例が,感染症の原因となる緑膿菌や黄色ブドウ球菌,また,食中毒の原因となるO-157などの大腸菌だという。
これまで殺菌を目的に紫外線(約200-380nm)が利用されてきたことはよく知られているが,近年,可視光線(約380-420nm)にも除菌効果があることがわかってきたという。この製品は,405nm周辺に発光素子のピーク波長をもつ白色LEDで,同社が長年培ってきたLEDと蛍光体の技術を組み合わせ,ひとつのパッケージにすることで,ものを照らすことと除菌することの両立を実現している。
この製品を9個用いたライトバーを用いた細菌の不活化試験では,細菌に光を照射し,約24時間後の生菌数を計数した結果,照射5時間で約98.9%を不活化したという。同社では,この製品が食品棚,食品工場や調理場,病院や公共設備など衛生環境維持を目的に幅広く利用されることが期待されるとしている。