NTTコミュニケーションズ(NTT Com)と日本電信電話(NTT)は,『令和2年度文化庁委託事業「文化芸術収益力強化事業」 NEXT VISION JAPAN』の一環として,文化庁とIMAGICA GROUPが主催する「2D-3D同時視聴体験実験 -Hidden Stereo(ヒドゥンステレオ)技術によるNatural 3D体験-」に協力する(ニュースリリース)。
劇場で上映されるタイトルには,2D上映と3D上映の大きく2つの形式がある。上映タイトルは単一の形式で楽しむものであり,また家族や友人で足を運んだ場合は,一般的に誰かの嗜好に合わせて上映形式を選択する必要があった。
また,これまでの3D映像は,3Dメガネ無しで見るとぼやけて鑑賞しづらいという問題があった。NTTの研究所では人間の知覚の仕組みを利用して,2D映像内に3D映像情報を隠して埋め込む本技術を発明し,動画への適用性を検証するなど,その研究開発を進めてきた。
この技術を使った映像では,3Dメガネをかけたり外したりすることで,観客は1つのスクリーンで2D映像と3D映像の両方が鑑賞可能となるほか,2D映像と3D映像の世界を観客が自由に行き来し,1人1人が楽しみ方を自由に選択できる「Natural 3D体験」が可能となる。
また,異なる形式の上映タイトルを1つのスクリーンに纏め空席を減らすことや,空いたスクリーンで他のタイトルを上映することが可能となるため,施設の運営効率向上も期待できるという。今回,この技術を3Dで再生されることを意図して製作された興行作品に初めて適用することとなった。
NTTは引き続きこの技術を含めた研究開発を推進することにより,例えば遠隔の各地施設で,リアルな現場と同等な臨場感のある体験を提供するなど,リモートワールドにおける新たな視聴体験を提供していくとしている。