岡山大学,東京医科歯科大学,国立長寿医療研究センター,昭和大学,米ワシントン大学,香港大学,上海交通大学らは共同で,光干渉断層計(OCT)を使う虫歯の診断法を開発した(ニュースリリース)。
虫歯の検査は通常,目で見る視診やX線写真で判断するが,小さな虫歯や奥歯の歯の間の虫歯は見つけるのが難しく,虫歯が進行してしまうこともある。
また,妊婦や乳幼児のX線写真の撮影は,慎重に判断して行なう必要がある。そのため安全に正確に,いつでも安心して受けられる虫歯の新しい診断が望まれている。
研究グループでは,光干渉断層計(OCT)に注目し,歯科臨床で活用する方法について研究を進めてきた。光を使うOCTは,歯のエナメル質や象牙質の内部を観察することができ,歯の内部や歯と歯の間の小さな虫歯も見つけることができた。
さらに,奥歯の歯の間にある初期の虫歯について,X線写真と診断精度を比較した結果,OCTによる診断のほうが正確であることもわかったという。
OCTは放射線を使わないので,妊婦や乳幼児に安全に使うことができる虫歯の診断となる。OCTの画像解像度は高いので,虫歯の診断だけではなく,歯に生じた亀裂や,すり減った程度も観察することができるなど,研究グループは様々な歯の疾患の診断に使用できる可能性があるとしている。