OKIグループの電線事業会社OKI電線は,エア・ウォーター・バイオデザインが世界に先駆けて開発した8K内視鏡に使用する光電気複合ケーブル(光複合ケーブル)の開発に成功した(ニュースリリース)。
8K内視鏡を使用した手術は,患部を大画面モニターに鮮明に表示することで,これまで見えにくかった細かい血管や神経が確認しやすくなり,切開や縫合の精度向上,および手術時間の短縮など医療スタッフや患者の負担軽減につながることから,医療業界に大きな革命をもたらすとして注目されている。
今回開発した光複合ケーブルは,この8K内視鏡を使用した手術において,内視鏡をホールドする医療スタッフの負担を軽減する「軽量化」と,ケーブルの反発力を低減し内視鏡の取り回し性を向上させる「柔軟性」を実現したもの。
ロボット用ケーブルの開発を通じて培った同社独自のノウハウを活かして,8K映像信号を高速かつ高精度に伝送できる広帯域光ファイバーケーブル,内視鏡への電力供給と制御を行なうメタル電線,さらには,高温となる8K映像モジュールを冷却するためのエアチューブを,コンパクトに一体化した。
また,ケーブル全体を覆う外被は軽量コイル芯入りとすることにより,潰れにくさを実現し,従来製品に比べ20%の軽量化と柔軟性・耐久性向上を実現したという。
同社は,今回の商品開発で得た軽量・柔軟化技術の水平展開とさらなる発展に取り組み,医療はもとより放送・車載分野など,高精細な映像ニーズの高まる市場に向けた商品開発を積極的に進めていく。また,この製品については本年より出荷を開始し,他分野の展開も含め21年度5,000万円の販売を目指すとしている。