NHK放送技術研究所は,遠隔地の人とあたかも同じ空間でコンテンツを視聴しているように感じることができる,空間共有コンテンツ視聴システムを開発した(ニュースリリース)。
将来の新たなメディア技術の一つとして,NHKではVR(仮想現実)・AR(拡張現実)技術を活用した視聴スタイルの研究を進めている。今回のシステムを使うユーザーは,例えば,遠隔地にいる友人が自分の隣に座っているように感じながら,水族館のVR映像を楽しむことができる。
ヘッドマウントディスプレー(HMD)で視聴している水族館のVR映像に,遠隔地にいる友人の3次元映像を合成することで,あたかも友人と一緒に水族館にいるかのような体験ができるという。
遠隔地にいる友人の3次元映像は,距離センサー付きのカメラでリアルタイムに撮影され,通信経由で伝送される。同様に,自分の3次元映像も友人に伝送され,友人が見ている水族館のVR映像に合成表示されるので,お互いに,会話や身振り手振りを交えたコミュニケーションを取りながら,同じコンテンツを視聴できる。
さらに,カメラ付きのHMDを使うことで,自分の部屋にAR技術で合成される出演者の3次元映像を,遠隔地にいる友人とコミュニケーションしながら視聴することもできるという。
NHKでは今後,このシステムを使って,離れた場所で一緒に同じコンテンツを視聴する場合の提示方式やコミュニケーションを支援する技術などの研究開発を進め,将来の新しい視聴スタイルの実現を目指すとしている。