NTTデータは,3Dプリンターを活用して樹脂や金属の粉末を一層ずつ重ねていくことで,3次元の造形物を製造するAM(アディティブ・マニュファクチャリング)技術により,新しいものづくりを実現する新会社を設立した(ニュースリリース)。
これまでNTTデータでは,製造業の顧客のデジタル技術活用の中でも,工場内の製造プロセスが持つあらゆるデータを分析し付加価値化するスマートファクトリーの実現や,企画/販売領域におけるデジタルマーケティングの高度化支援に取り組んできた。
一方,ものづくりそのものの技術においても,コンピューターによる数値計算により3次元設計技術を高度化するコンピュテーショナルデザイン分野が進歩し,製品性能の発揮に最適な機能形状を設計することが可能になった。
こうした中で,あまりに複雑な形状は,在来工法では製造が困難であることが大きな課題となってきたが,昨今の金属AM技術の進歩が,非常に複雑な形状を,適切な品質基準を満たした上で造形することを可能とし,グローバル製造業大手が製造工程のデジタル化のひとつの中核領域として,AM技術への投資を加速している。
同社は,これまで傘下のグループ会社において3Dプリンターの代理店事業を展開し,さらに近年は複雑かつ強度を要求される部品等の製造受託事業を行なってきた。
今回,グローバル市場における3DプリンターによるAM技術の進展と関連マーケットの拡大を背景に,設計,積層造形,後処理というAM技術のすべてのプロセスに対してAI/ITを融合させることで,飛躍的な事業発展につながるとして,AMソリューション専業の事業会社「NTTデータ ザムテクノロジーズ」を設立,2020年7月1日より事業を開始する。