英弘精機は,スマートフォンで測定制御やデータ保存を行なう仕組みを取り入れた携帯型分光放射計「MS-730」を開発,発売することを発表した(ニュースリリース)。
可視域から近赤外域までの波長領域を対象とした分光計測用に開発された分光放射計で,主に地質,植生,海洋,リモートセンシング分野における太陽光や,蛍光灯,LED照明,LEDバックライト,キセノン,ハロゲン,重水素ランプ,水銀ランプおよびメタルハライドランプなどの人工光源の光の強度を,絶対値として波長毎に測定することができるという。
軽量コンパクトなハンドヘルドタイプの分光放射計でありながら,計測制御,グラフ表示,データ収集・演算・保存は,Androidスマートフォン上の専用モバイルアプリケーションを使用し無線LAN経由で一元的に操作することが可能。
さらに,スマートフォンのカメラ機能やGPS機能と連動し,測定現場の写真や緯度・経度情報を測定データに取り込むユーティリティ機能により,農業分野,海洋分野及びグランドトゥルース等のフィールド測定や遠隔操作による分光計測における操作性が改善されるとしている。
この製品はポリクロメータ方式でグレーティングを回転せずに各波長のスペクトル分布をフォトダイオードアレイを用いた同時測光できる。ポリクロメータで測定された信号は波長とエネルギーに対して校正しないと正しいスペクトルを表示することは出来ないが,この製品はNIST(アメリカ国立標準技術研究所)で校正された分光放射照度標準電球によりトレーサブルな校正が行なわれているという。