世界最大級の光学関連展示会・国際会議であるPhotonics West 2020が2月5日~7日,アメリカ・サンフランシスコのThe Moscone Centerで開幕した。前回に続き,編集部では展示会を中心に取材を行なっており,その詳細は「Photonics West 2020 報告書」に纏める予定となっている。
この展示会には日本からも多数の企業が出展しており,多くの海外企業と接触する機会を得ていた。ここではそのうち,ジャパンパビリオンに出展した企業のいくつかを紹介する。
フジトク
プリズムやフィルターガラスなど様々な光学製品を紹介していた。測定器や薄膜メーカーなどをターゲットにしているという。
中原光電子研究所
ガラス管に中空構造を設けたキャピラリーを展示していた。内径誤差1μm以内と加工精度が高いのが特長となっている。
コニカミノルタ
ディスプレーなどの色を評価する装置の展示を行なっていた。新製品の「CA-410」はプローブによりスマートウォッチのような小型ディスプレーにも対応する。
日化精工
同社は基板など仮止め用の接着剤やワックスを手掛ける。熱,紫外線,マイクロウェーブなど多様なトリガーで仮止めを解くことができる。仮止め剤の専門メーカーは海外では珍しいとのことで,多くの訪問があったようだ。
村田製作所
電子部品大手の同社は振動子用の水晶を持ち込み,波長板以外の光学製品への展開について,情報収集を兼ねた展示を初めて行なった。
Photonics Westでは,SPIE Industry Eventと称して様々なセミナーやパネルディスカッション等のイベントを行なっている。編集部ではその中の主要なセミナーである,“SPIE Industry Update Trends and Outlook”を聴講した。
これは毎年,Photonics Westの出展社向けにBreakfastミーティングとして早朝に行なっていたものを,会場内セミナーとして一般の来場者にも開放する様になったもの。
結論として,2020年までのコアコンポーネントの売上の伸び(CAGR)は7.9%と予測しており,売上額としては328B$と推定している。さらに,光応用製品まで対象を広げると2,580B$まで2020年は伸びるとしていた。
売上の他にも雇用や参入会社の規模別の統計等,大変に興味深い資料もあったが,詳細はPhotonics West報告書2020に掲載を予定しているので,参照願いたい。