リコーは,高耐久性ラベルシステムの新製品「RICOH Rewritable Laser System L3000 / C3000」を2020年春に発売する(ニュースリリース)。
この製品は,非接触で約1,000回のラベル書き換えが可能な印字プロセスを実現した。半導体レーザーを用いた,レーザーユニットおよび専用のリライタブルレーザーラベルから構成されている。
半導体レーザーから出射されたレーザー光が,ラベルの記録層を直接,均一に加熱することで印字され,印字された画像は,発色温度より低い温度で加熱されることで消去される。
今回発売する製品は,高速な消去・印字はそのままで,従来セットで必要だった消去機とマーカの一体化を実現し,一台で消去・印字が可能となった。これにより,設置スペースおよび導入コストの削減を実現した。
物流業では,従来,プラスチックコンテナーなどの通い箱に送付先や配送要件が印字された紙のラベルを貼り付け,使うたびにラベルの貼り替えを行なっていた。この製品は,通い箱に貼ったまま,高速で繰り返し書き換えられる専用ラベルを活用するため,ラベルの貼り替え作業や使用後のラベルの廃棄作業がなくなり,業務効率化と環境負荷低減を同時に実現できる。
専用のリライタブルレーザーラベルは,レーザー印字方式の特徴を活かした層構成にすることで,上層に厚い「UV・酸素」遮断層を形成し,印字表示を劣化させる紫外線と酸素を高レベルで遮断する。直射日光及び酸素による劣化を防ぎ,屋外環境での長期間使用を実現し,高い耐久性を備えている。
さらに,視認性の高い印字も特長で,文字,数字などが鮮明に印字できるのはもちろん,管理上必要なバーコードやQRコードなどの画像も高い印字品質が確保できる。通常,複数回消去/印字を繰り返すと,文字の交点・折れ曲がり部などに重複印字が発生し,消え残りが発生する。
同社独自のフォント方式は,文字の大きさにより,交点・折れ曲がり部の間隔を自動調整するアルゴリズムを採用し,あらゆる倍率・線幅に全自動・リアルタイムで対応する。これにより重複印字を回避し媒体の劣化を抑えて,印字・消去の繰り返し耐久性を向上させた。
さらに,トレーやコンテナーを用いて工程間や工場内,他の工場間で部品や部材の輸送を行なっている自動車部品や電子部品の製造業においても活用が見込まれ,ヒューマンエラーの防止やトレーサビリティの向上も実現可能としている。