紫光技研,プラズマ深紫外線光源に新製品を追加

紫光技研は,独自技術のプラズマ方式水銀フリー深紫外線面光源UV-SHiPLA(UVシプラ)の新シリーズとして,小型・軽量,コンパクトな真空紫外線(VUV:Vacuum Ultra Violet)面光源を商品化した(ニュースリリース)。

波長200nm以下のVUV領域で発光する光源は,これまで主に波長185nmの低圧水銀ランプが用いられ,波長172nmのエキシマランプがより短波長を要する応用に用いられてきた。前者は水銀フリー化が求められており,後者も大型の電源装置を必要とすることから,小型軽量でコンパクトなVUV光源が求められていた。

また,オゾンを活用した消臭・除菌も注目されるようになっている。オゾン生成にはいくつかの方式があり,小型のものでは空気中で放電を起こす方法が用いられている。しかし,よりコンパクトでNOx発生の心配がない紫外線によるオゾン生成が求められており,その中でもオゾン生成効率のよい172nm帯VUVが注目されている。

今回開発した光源は,8cmのVUVチューブ発光素子を配列した標準サイズ8×3cmほか,小型4×2cmや高出力対応の8×6cmがあり,円筒巻付け型や特注サイズにも対応する。

直径2mmの細長いガラス細管内に封入したキセノン(Xe)ガス・プラズマが放射する172nm帯ブロード発光の真空紫外線を効率よく取り出すチューブ発光素子を開発し,これを独自の面光源アレイ化技術,駆動技術と組み合わせることで様々なVUV面光源バリエーションを展開する。

8×3cm(標準サイズ)は,空気中で点灯させると1時間当たり10mgのオゾン生成能力があるという。4×2cmでは,冷却不要の小型インバータ電源との組み合わせにより,電池駆動でコンパクトなオゾナイザを実現可能。1時間当たり2mg程度のオゾン発生量となり,室内での消臭・除菌応用に適しているとしている。

また,8×6cmでは高出力駆動回路との組み合わせで1時間当たり40mgのオゾン生成が可能。円筒型の外照構造にすれば平面照射の3倍の照射効率が得られ,有機物や薬品の分解処理に適している。

このほか、VUV(172nm帯ブロード発光)とUVC(260nm帯ブロード発光)を同時に発光する複合波長型も商品化。こちらはオゾン生成と同時に活性酸素に変換するもので,表面洗浄用185nm低圧水銀ランプに対して水銀フリー化を提案する。

同社はこの製品と開発中の新デバイスを,11月12日~14日に東京・科学技術館にて開催される『光とレーザーの科学技術フェア2019』の同社ブースにて展示するとしている。

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