東芝と東芝エネルギーシステムズ(ESS)は,ドローンを活用したプラント施設や高所設備の効率的・高精度な点検技術を開発した(ニュースリリース)。
この技術では,最初に東芝プラントシステムが保有する3Dレーザー計測技術を用いて,対象施設の形状を計測し,サイバー空間上に施設の形状を三次元に再現する。次に,東芝が保有する生産シミュレーション技術を活用し,施設を撮影するためのドローンの最適な飛行ルートをサイバー空間上で生成する。
その後,この最適な飛行ルートに従ってドローンが自律飛行してフィジカル空間上で施設を撮影し,サイバー空間上に施設をより精緻に三次元で再構成する。
ドローンが撮影した画像に,東芝が保有する画像解析技術を用いることで,錆などを検出し,劣化箇所を特定することができる。また,定期的に点検することで経時変化を把握することができ,将来の劣化予測につなげることも期待できるとしている。
東芝およびESSは,傘下のシグマパワー有明が運営する福岡県大牟田市の三川発電所のボイラー施設(一部休止中の設備を含む)にてこの技術の実証実験を行ない,プラント施設の3Dイメージの構築を含む一連の作業工程と,構造物の錆などが適切に検出できることを確認したという。
今後は展示会や個別の提案活動により,この技術の実証実験に興味を持っていただけるパートナー企業を募り,PoC(概念検証、Proof of Concept)を通して個別のニーズに合わせた付加機能の検証等を行なうことでこの技術の完成度を高め,実用化を目指すとしている。