千葉工業大学は,かわべ天文公園(和歌山県日高川町)の口径1m望遠鏡を用いて,新たな太陽系外惑星KELT-24bのトランジット観測(惑星が主星の前を横切る際の主星の減光を観測して惑星を検出する方法)に成功した(ニュースリリース)。
今回の観測は,太陽系外惑星探索を目的とする国際チームKELTプロジェクト(小口径(口径 42mm)・広視野のロボット望遠鏡を用いたトランジット観測によって太陽系外惑星を探索するプロジェクト)の依頼を受け,KELTプロジェクトが発見した惑星候補KELT-24bが真の惑星であるかを確認することを観測目的とするもの。
KCPの望遠鏡の空間分解能はKELT望遠鏡の約100倍良いため,今回の目的に十分な性能を有する。2019年5月3日夜に何回か雲に遮られながらも惑星のトランジット現象の観測に成功し,惑星KELT-24bの存在を支持する結果を得た。
今回発見したKELT-24bは,極めて大型の惑星(質量は太陽系の木星質量の約5倍)で,恒星HD 93148の近傍を公転する灼熱の惑星ホット・ジュピターであると考えられるという。
KELT-24bが周回する恒星HD 93148は非常に明るく,今後の詳細観測に適した惑星。このように明るい恒星に対して,KELT-24bのような巨大な惑星が発見された例は未だ数少なく,惑星質量の上限に迫るような巨大な惑星の性質や形成・進化を理解する上で重要なターゲットになるとしている。