NECは,ジャパンラグビートップリーグのリコーブラックラムズと,選手の日々の身体コンディションを把握・管理してケガを未然に防止するために,アスレティックトレーナー(AT)の業務支援ツールとして同社の「フィジカルチェックシステム」を活用する実証実験を8月から開始した(ニュースリリース)。
このシステムは,画像認識技術を用いてスポーツ選手の柔軟性・筋力の計測およびケガ予防のリスク評価・分析を行なうもの。この実証を通して同社は筋力,関節可動域データと身体のコンディション不良に関するデータを蓄積するとともに,痛みやケガの発生との相関関係における分析を行ない,2019年度内の実用化を目指すという。
近年,スポーツをする上で,ケガや故障を未然に防ぐという考え方が主流になっており,重症化を防いでスポーツを長く楽しむためには,定期的に身体の状態を評価・分析し,ケガのリスクを最小化することが重要となる。
このような考え方のもと,これまでスポーツ選手のコンディション管理やケガ対策は専属のATを中心に行なわれてきたが,一人ひとりの全身の身体状態のチェックを行なうには多大な時間やATの配置などが必要となり対応に限界があった。また,ATの判断も個人差があり,ノウハウの数値化や均一化に課題があったという。
今回,ブラックラムズに所属する選手の体調管理について,クラブハウスに設置したKinect(赤外線レーザーでパターンを対象物体に投影し,三角測量により画像上の各点の距離を算出する3Dセンサー)等を活用した同システムで選手の映像分析を行ない,日々の身体コンディションチェックを行なう。
選手自身が約3分程度で計測を行なうことが可能で,結果は選手のスマートフォン等に表示される。監督,コーチ,担当ATなどのチームスタッフは選手の計測・評価データを閲覧でき,選手のコンディションや改善が必要な箇所の把握・処置の強化などを行なうという。