NTTら,AI画像解析技術で道路メンテを効率化

ニチレキ,東日本電信電話(NTT東日本),エヌ・ティ・ティ・コムウェア(NTTコムウェア)は,舗装道路の路面点検・診断・措置を一貫して低コストで実現するソリューションを提供するため,AIによる「局部損傷」(局部的に損傷の進行が早く緊急の措置が必要とされる箇所)診断技術を共同で開発する(ニュースリリース)。

地方公共団体が管理する道路は,路線数,路線延長ともに膨大で,損傷箇所の全てをオーバーレイ(既設の舗装上にアスファルト混合物の層を重ねる工法)などの舗装修繕工事で対応することが困難となっている。現在は,ポットホール(舗装の表層がはがれてできる穴,へこみ)が開いたら補修するという事後対策をしている。

従来,道路舗装のひび割れの評価には「ひび割れ率」が用いられ,修繕工事区間の選定では有用な評価手段となっている。しかし,緊急性を要する箇所の特定においては,ポットホールなど重篤な損傷に進行する恐れのある損傷箇所を検出し,環境に配慮した適切な補修材料で手当てすることが求められている。

今回開発するAIは,従来型の検出したひび割れの面積から「ひび割れ率」を計算する道路診断AIを基に,NTTコムウェアの画像認識AI「Deeptector®」を利用し,ひび割れの結節点を検出し,損傷をランク分けするという「局部損傷」評価に最適化されている。また「局部損傷」と,従来からの「ひび割れ率」を組み合わせることで,多角的な措置方法の選定が可能という。

また「局部損傷」を点検・診断で定量的に評価し重篤な損傷に至る前に,常温表面処理工法で補修する予防保全の仕組みを構築する。この技術は,自動運転時代に要求されるポットホールを開けない舗装管理にも有用な技術として活用可能。なお,この技術は,2019年度中の提供をめざすとしている。

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