メナード,X線散乱でコラーゲンの微細構造を解析

日本メナード化粧品は,シンクロトロン光によるX線散乱測定技術を応用することで,皮膚組織に存在するコラーゲンをそのままの状態を保持させたまま,微細な構造を解析する技術を開発した(ニュースリリース)。

コラーゲン線維はたんぱく質の一種で,皮膚の真皮の約70%を占めている。コラーゲン線維の構造をナノレベルで観察することは,シワ,タルミのない肌の研究において重要な手法の1つ。

しかし,電子顕微鏡で観察するためには,真空状態で壊れないように水分を除去する必要があるため,本来のコラーゲンの構造に変化が生じてしまい,生体内での本来の構造を解析することが困難だった。

X線散乱測定を用いた場合でもナノレベルの小さな構造を調べることができるが,コラーゲン線維の構造を調べる場合,わずかしか方向を変えない微弱なX線を正確に読み取る必要がある。そこで,非常に強力で,レーザーのような鋭い指向性,平行性を持つ(高指向性)シンクロトロン光をX線源として利用し,コラーゲン線維のX線散乱を測定した。

X線散乱測定の場合,電子顕微鏡のような真空状態にすることなく試料の観察が行なうことができる。加えて導電性を与える前処理も必要ないので,より生体に近い状態のコラーゲンの線維構造が解析できるようになったという。

さらにX線散乱測定では,X線を照射した領域で発生する散乱X線をまとめて評価するため,広い範囲の平均データを一度に得ることができる。結果が数値で得られるため,例えば,加齢によるコラーゲンの質的変化を数値化して老化状態を把握することも容易になるとしている。

その他関連ニュース

  • 阪大ら,レーザー中性子とX線で同時瞬間撮影 2021年09月16日
  • 島津,マイクロフォーカスX線検査装置を発売 2021年09月14日
  • 阪大,バクテリア由来の発光タンパク質を高光度化 2021年08月24日
  • 阪大,細胞内を0.1℃で計る蛍光タンパクを開発 2021年08月23日
  • 理研ら,X線ナノプローブスキャナーを発明 2021年08月17日
  • 理研,水のナノメートル空間の相互作用を発見 2021年07月21日
  • 東北大ら,BCDIで合金触媒粒子内の歪を可視化 2021年07月13日
  • 熊本大ら,XMCDのベイズ分光の元スペクトルを再現 2021年07月09日