パナソニックは,中国太陽電池メーカーのGS-Solar(China)Company Ltd.(钧石(中国)能源有限公司:GSソーラー)と,太陽電池事業で協業することに合意したと発表した(ニュースリリース)。
同社はソーラー事業の子会社であるパナソニックエナジーマレーシア(以下,マレーシア工場)を譲渡するとともに,太陽電池の研究開発機能を分離して新会社を設立し,GSソーラーと共同で出資,運営するとしている。
同社が生産している太陽電池モジュール「HIT®」用セルは,アモルファスと単結晶のシリコン太陽電池を組み合わせた独自のヘテロ接合型太陽電池で,高い変換効率,温度上昇による性能低下が少ない高温特性,両面発電等の特長がある。一方,GSソーラーは,ヘテロ接合型太陽電池の研究・開発・生産を行ない,研究成果を生み出している。
両社は,今後グローバルに成長が期待される太陽電池業界において,協業によりお互いの技術や生産ノウハウを有効活用し,付加価値の高い製品を開発することで,ヘテロ接合型太陽電池の更なる発展が可能になると判断し,今回の合意に至ったという。
今回の合意で,同社は,ソーラー事業の開発・生産体制を最適化するとともに,現在,マレーシア工場で生産している太陽電池モジュールはこれからも調達・販売を続ける。これにより,創出した成長リソースで,HEMS,太陽電池モジュール,蓄電池,エコキュート,EV充電等を組み合わせたエネルギーソリューション事業へと転換し,ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の拡大,ポストFIT時代に適した電力マネージメント,自然災害に対する非常用電源普及に努める。
また,新会社では,ヘテロ接合技術をさらに進化・発展させることで,太陽電池の競争力を強化していくとしている。なお,日本や米国の同社ソーラー生産拠点は継続していくという。