ポラテクノは,薄型で耐熱性に優れたインセル用偏光子の開発に成功した(ニュースリリース)。
インセルとは偏光子をディスプレーの内部に配置することをいい,ディスプレーの高性能化や様々な機能付与が可能になる。従来の偏光板は,染色したPVA(ポリビニルアルコール)フィルムをTAC(トリアセチルセルロース)フィルムなどの支持体で挟んだものに接着剤を塗布した構造で,厚みも165μmと厚いものだった。
同社が開発したインセル用偏光子は,染色したPVAと接着層のみから構成されていて,厚さは15μmと非常に薄くなっている。また,150℃の高温に30分耐えることができ,液晶ディスプレー,有機ELディスプレーへのインセル化が可能になる。
量子ドットカラーフィルターの液晶層側にインセル偏光子を配置すれば,屋外視認性に優れ,消費電力が小さく,色再現性に優れた液晶ディスプレーの実現が可能になる。また,カバーフィルムと有機EL素子の間にインセル用偏光子を配置すれば,有機ELディスプレーの薄型化,フレキシブル化に寄与できるという。
製品は,2019年6月からサンプル出荷を開始し,2020年9月から量産を開始する予定だとしている。