ポラテクノ,薄型・高耐熱のインセル用偏光子を開発

ポラテクノは,薄型で耐熱性に優れたインセル用偏光子の開発に成功した(ニュースリリース)。

インセルとは偏光子をディスプレーの内部に配置することをいい,ディスプレーの高性能化や様々な機能付与が可能になる。従来の偏光板は,染色したPVA(ポリビニルアルコール)フィルムをTAC(トリアセチルセルロース)フィルムなどの支持体で挟んだものに接着剤を塗布した構造で,厚みも165μmと厚いものだった。

同社が開発したインセル用偏光子は,染色したPVAと接着層のみから構成されていて,厚さは15μmと非常に薄くなっている。また,150℃の高温に30分耐えることができ,液晶ディスプレー,有機ELディスプレーへのインセル化が可能になる。

量子ドットカラーフィルターの液晶層側にインセル偏光子を配置すれば,屋外視認性に優れ,消費電力が小さく,色再現性に優れた液晶ディスプレーの実現が可能になる。また,カバーフィルムと有機EL素子の間にインセル用偏光子を配置すれば,有機ELディスプレーの薄型化,フレキシブル化に寄与できるという。

製品は,2019年6月からサンプル出荷を開始し,2020年9月から量産を開始する予定だとしている。

その他関連ニュース

  • 筑波大ら,プリンターでレーザーディスプレーを作製 2024年12月20日
  • 千葉大ら,光ホプフィオンの3次元渦構造を可視化 2024年12月05日
  • JDI,台湾Innoluxとコントラスト690倍のOLEDで提携 2024年12月03日
  • 独メルク,仏半導体測定機器企業を買収し光部門強化 2024年11月29日
  • Kyuluxと日本曹達,有機EL材料量産に向け資本提携
    Kyuluxと日本曹達,有機EL材料量産に向け資本提携 2024年11月20日
  • 富山大,最小電圧駆動有機ELの駆動機構の一部を解明 2024年11月01日
  • 東工大,分子の自発配向を利用した分極薄膜を開発 2024年10月31日
  • 千葉大ら,高次光子の量子情報を電子スピンへ転写 2024年10月24日