日本板硝子(NSG)は4月10日,モバイルリアルタイムPCR(ポリメラーゼ連鎖反応:Polymerase Chain Reaction)装置「PicoGene ®(ピコジーン)PCR1100」の本格販売を開始した(ニュースリリース)。価格は本体が798,000円(税抜),測定チップが(50枚セット)39,800円(税抜)。
独自技術「SELFOC®(セルフォック)・マイクロレンズ」を応用した小型蛍光検出器を搭載し,コンパクト(片手で持てる), 軽量(約560g),迅速(測定時間約10分),高感度(大型PCR装置と同じ測定精度),省電力(外付けDC5V-3Aバッテリーで使用可)などの機能がある。本体サイズは200×100×50mm,重量約560g。試験・研究用に限定販売している。
DNA合成酵素(ポリメラーゼ)を利用し,加熱・冷却を繰り返すことにより,DNA合成反応を連続で行ない,短時間で目的とするDNAを増幅し,リアルタイムで測定を行なう。遺伝子発現の解析,遺伝子量の測定,菌・ウイルスの検出,遺伝子組み換えの検査,一塩基多型解析など,これまで専門施設内の大型設備装置に限定されていた遺伝子測定のモバイル化を可能とするという。
この製品は,NSGの新規事業開発を担うビジネス・イノベーション・センター(BIC)の最初の製品となる。BICは,2018年7月に設置。食・水の安全,環境,学術を中心とする「ライフサイエンス」事業,5G,センサー,フィルターを中心とする「IoT,Cloud」事業,機能性材料を中心とする「エネルギー変換」事業および,製造業デジタル化を中心とする「Industry 4.0」事業の4分野を中心に,同社の有望ガラス技術を既存ガラス以外の領域で応用・商品化することで,新規事業を推進していく。