五藤光学研究所は,倉敷科学センターにプラネタリウム「ケイロンⅢ・ハイブリッド」を納入設置した(ニュースリリース)。
同システムは,光学式プラネタリウム「ケイロンⅢ(特別仕様機)」の映し出す星空に,全天周デジタル映像システム「バーチャリウムX」による4K解像度の全天映像と10K解像度のパノラマ映像を融合させた「ハイブリッド・プラネタリウム」。
光学式の奥行きを感じさせるような星空と,デジタルシステムに組み込まれた10K解像度の高精細パノラマ映像によって,臨場感のある風景を再現するだけでなく,新規開発の流星投映機やレーザープロジェクターを用いた多機能投映機によって,夜空を翔ける流れ星や夕空に地球照と共に細く輝く月などを,光学式投映機のクオリティで再現できるという。
この装置で倉敷市が求める「美しい星空の情景描写」を極限まで追求し,暮れ行く空の表情を再現する。同センターは,2019年3月27日から一般公開されている。
さらに,機器だけでなく,ドームスクリーンの張替,座席更新やドーム室内の内装改修を実施。プラネタリウムの前室となるホワイエも,居心地のよさを追求した空間にした。
光学式プラネタリウム「ケイロンⅢ」は,高精細な天の川を約1億個の微恒星で描き,300以上の星雲星団,2000以上の暗黒星雲を再現。また,3.5等級よりも明るい約300個の恒星の固有色も忠実に再現する。6.5等星までの星の等級差を自由に調整する等級差可変機能を搭載し,朝夕焼け,薄明薄暮,青光,昼光の各投映機を本体に同架する。
全天周デジタル映像システム「バーチャリウムX」は,光源にレーザー光を用いた4Kプロジェクター2台で,ドーム全天に4K映像を投映する。光学式の星空を補完するデジタルプラネタリウム機能や各種シミュレーション機能を搭載。高精細な地形データを実装し,倉敷市上空を俯瞰しながら宇宙への視点移動し,さらに137億光年の深宇宙の姿まで投映可能。4Kプロジェクター3台が連携し,ドーム前方に超高精細なパノラマ10Kのスカイラインを投映する。