オーストリアamsは,世界最小の1D飛行時間距離測定と近接センシングの統合モジュール「TMF8701」を発表した(製品ページ)。
このセンサーはユーザーの顔が検出範囲に現れた時点で顔認識の動作をトリガーさせるなど,存在検知機能の実装に最適だとする。2.2mmx3.6mmx1.0mmのパッケージは,狭いベゼル内に収まり,スマートフォンメーカーによる,本体に対して高い画面比を持つワイドスクリーンの携帯電話の設計を容易にするという。
さらに,VCSEL赤外線エミッター,複数のSPAD(単一光子アバランシェフォトダイオード)光検出器,時間・デジタル変換器,ヒストグラムの処理用コアを統合している。ヒストグラムに基づく存在検知,デバイス測定,近接センシングアルゴリズムの全てをチップ上に実装している。
また,ディスプレー画面上の指紋による汚れや,ユーザーの顔といったカバーガラス外の物体による光学反射を個別に特定し,センサーの窓が汚れている場合でも安定した性能を保つ。
クラス1 Eye Safe VCSELエミッターは周囲光の干渉を高レベルで遮断し,あらゆる照明条件下でも正確に測定できるという。モジュールは通常の照明条件において20-60cmの範囲で±5%の測定精度となっている。直射日光(100klux)において,最大35cmまで±5%の精度が保たれるとする。
同センサーの低消費電力動作(10Hzのサンプリング時に近接センシングモードにて940μA)により,同センサーはスマートフォンの顔認識システムにとって理想的とする。常時稼働しており,ToFセンサーがディスプレー画面から最大60cmの範囲で物体の存在を検出した際に顔認識システムを起動させる。
デバイスの近接センシング機能は,画面から0-10cmの距離で反射面を検出した際に画面と顔認識システムをトリガーしてオフにする用途でも利用できる。このセンサーの距離測定精度は,特に弱光条件におけるセルフィーカメラのLDAF(レーザー検出オートフォーカス)機能にも対応するとしている。なお,このセンサーの評価キットも発売されている。