JNCは,関西学院大学教授の畠山琢次氏との共同研究により開発した新しい有機EL材料が,大手ディスプレーメーカーのスマートフォンに採用されたと発表した(ニュースリリース)。
開発した有機EL材料は,これまでに使用されてきた材料系とは全く異なる新しい構造を特徴とした青色発光材料。新しい青色発光材料はホウ素原子を含むヘテロ環構造を主骨格とし,電圧をかけることによって発生する光の波長の幅が従来の材料に比べ狭いことを特長としている。これにより,発光したエネルギーロスを抑えることが可能となり,低消費電力化を実現できるとしている。
共同研究は2011年から開始し,2016年には世界最高レベルの発光効率と色純度を持つ有機ELディスプレー用青色発光材料を開発するなど,数多くの有機EL材料を生み出している。また,新しいタイプの有機EL素子に適用できる材料の開発も進めており,今後も高効率・長寿命特性を有する製品を提供していくとしている。なお,JNCはこの有機EL材料を,熊本県の水俣製造所にて製造する計画。