浜松ホトニクスは,3月に解体した豊岡製作所(磐田市)第4棟の跡地に,老朽化し手狭になった第5棟に替わる新5棟を建設し,電子管事業の研究開発,顧客対応を強化すると発表した(ニュースリリース)。
同社は,医用,分析,計測,産業,学術などのさまざまな分野に光電子増倍管や光源などの電子管製品を販売しており,今後も産業分野向け光源やX線源を中心に売上拡大を見込んでいるという。
新棟では,豊岡製作所内に分散していた開発部署を集約するとともに実験エリアを拡張し,電子部品や実装基板などのX線非破壊検査に用いられるマイクロフォーカスX線源や半導体の微細構造の測定などに用いられるスーパーコンティニューム光源など,産業分野向け光源やX線源の新製品開発および電子管製品の要素技術開発を促進する。
また,新棟の応接エリアを事務棟である現在の第5棟と比べ約1.5倍とし国内外からの来客や見学の増加に対応するとともに,営業部門と品質管理部門を集約し情報共有を進めることで顧客対応の迅速化を図るとしている。
新棟建設への集約により発生した既存棟の空きスペースを利用し,X線源や検体検査装置向け光電子増倍管および関連製品の製造エリアと電子管製品の出荷エリアを拡張することで,今後の売上拡大に対応できる体制を整えていくという。
新棟の建築面積は4,174m2,延床面積は18,046m2,総工費は約74億円となってる。地鎮祭は12月13日に執り行なっており,2020年7月に竣工の予定。