DOWAエレクトロニクスは,中心波長1,300nm帯において,同社従来比3.5倍であり,世界トップクラスの6.8mWの出力となる近赤外LEDチップを開発し,サンプル提供を開始した(ニュースリリース)。
LEDを用いた各種光センサーは小型,省電力,長寿命などの特長がある。また,波長帯800nm~2,000nmの近赤外光は,生体への透過性が高いことから,農作物や食品の分析,医療やヘルスケア分野への応用が進められている。特に市場の拡大が見込まれるヘルスケア分野においては,センサーにLEDを用いることにより,採血を必要としない血糖値測定の実現などが期待されている。
新たに開発した中心波長1,300nm帯の近赤外LEDチップでは,トレードオフとなる高出力化と小型化を両立しながら,センサー用途に必要である上面方向への光出力を大幅に向上させることが可能となった。今後,これらの技術を中心波長1,450nm帯,1,650nm帯にも展開し,ラインナップの拡充を進めていくという。
同社は,ガリウム系化合物半導体分野において,高純度ガリウム等の素材から,ウエハ,LEDチップ,一部はランプモジュールまで,幅広いラインナップの製品を提供している。また,波長帯のカスタマイズなどの各種ニーズにも柔軟に応じるとしている。