大日本印刷(DNP)は,大型化が進んでいるテレビ向け光学機能性フィルムの製造に最適な,最大2500mm幅に対応できるコーティング装置を同社三原工場(広島県)に導入する(ニュースリリース)。設備投資額は約65億円を予定している。
テレビの大型化にともない,ディスプレー用の各種部材にも大型化への対応が求められており,その際の生産性の改善が重要な課題となっている。同社は,ディスプレー表面の光の反射を防止するフィルムやディスプレーの視野角を広げるフィルム,光の透過や遮断をコントロールするフィルムなど,各種の光学機能性フィルムで高いシェアを獲得している。
現在同社は,岡山工場(岡山県)と三原工場でこれらのフィルムを製造しているが,既存の製造ラインでは,65インチ型用フィルムの生産効率が悪いため,この装置を導入することにした。
新ラインで製造する2500mmの広幅のフィルムは,世界的に需要が増加している65インチ型ディスプレー向けの光学機能性フィルムを,効率良く製造(面付け)することができる。また,反射防止フィルムの高機能・高性能化に対応する上で重要となる,多層コーティングの生産性を考慮した設計になっている。今回の新製造ライン導入により,従来に対して,面積で1.3倍以上の製造能力となるとしている。
同社は,新製造ラインによる量産を2019年10月に開始する予定。これらの施策により,ディスプレー向け光学機能性フィルムのパネルメーカーや偏光板メーカーへの提供を拡大し,2020年度で年間1,000億円の売上を目指す。