SEMIは6月12日(米国時間),半導体産業の前工程ファブ装置への投資額が,3年連続で更新される見込みが高まり,2018年は前年比14%増,2019年は同9%増となると発表した(ニュースリリース)。
この予測は,SEMIが発行した最新のレポートに基づくもので,2019年には歴史的な4年連続成長を記録することになる。SEMIが調査している範囲では,過去に4年以上の連続成長が見られたのは,1993年~1997年の5年連続成長だけであり,今回はこれに次ぐもの。Samsungが世界のファブ装置投資の首位に立つとともに,拡大する中国は他地域を成長率で上回っており,韓国と中国が成長をけん引することになるという。
Samsungは2018年にファブ装置投資を減額することを予測するが,依然として,韓国の全ファブ装置投資額の70%を占めるとする。他方,SK Hynixは今年の投資を増額している。
中国のファブ装置投資は2018年に65%,2019年に57%増額することが予測されるという。中国の投資額の内,2018年は58%,2019年は56%がIntel,SK Hynix,TSMC,Samsung,GLOBALFOUNDRIESなどの外資系企業によるもの。巨額の政府支援を受けた中国企業は,現在,相当数の新しいファブを建設中であり,2018年から装置の搬入が始まることになるという。各社のファブ装置投資額は,2018年,2019年にそれぞれ倍増することを予測する。
その他の地域もファブ装置への投資を増額している。日本の投資は,2018年に60%増額する。特に増額が大きいのは,東芝,ソニー,ルネサスエレクトロニクス,Micronの各社。
ヨーロッパおよび中東地域は,Intel,GLOBALFOUNDRIES,Infineon,STMicroelectronicsなどの増額により,2018年のファブ装置投資額が12%伸びるとしている。
東南アジアも,2018年にファブ装置投資額が30%増加するが,他地域と比較すると同地域の投資は少額。主な投資企業は,Micron,Infineon,GLOBALFOUNDRIESだが,そのほかにOSRAMやamsも投資を増額しているという。