トプコンは,3次元眼底像撮影装置「DRI OCT Triton」の米国食品医薬局(FDA)による510(k)の審査をパスし,クリアランスレター(認可書)を取得し,米国での販売を開始すると発表した(ニュースリリース)。
この製品はOCT撮影の光源に中心波長1μm帯のSwept Source(波長掃引光源)を用いており,Swept Source OCT,前眼部OCT,カラー,レッドフリー,蛍光造影撮影(FA),自発蛍光撮影(FAF)の撮影機能を1台に集約し,診断に必要な様々な画像を1台の器械で取得することで効率的なワークフローを実現し,これまで日本,アジア,ヨーロッパ,中東市場で発売されてきた。
同社はこの製品が,Swept Source OCTに正常眼データベースを備えた3次元眼底像撮影装置として初めてのFDA認可であり,米国での販売開始は大きな反響を呼ぶと期待しており,昨年度,市場投入した「3D OCT-1 Maestro」に加え,米国OCT市場において,アイケア製品の大きな販売伸長を見込んでいる。
この製品は,次の特徴を備えている。波長1μm帯光源の高い組織侵達性により,眼底深部の観察や中間透光体に混濁や出血がある場合にも観察を容易にする。また,波長掃引光源を用いることで断層画像の深さ方向の劣化を低減し,硝子体から網膜,脈絡膜深部までの断層を高品位かつ均質な画像で映し出す。
さらに,100,000 A-Scan/秒の高速撮影により,眼球運動の影響を受けにくく,1μmの不可視光により患者の視線が固定しやすく,安定したOCT画像の取得が可能。
この製品は,Swept Sourceがもたらす先進性のみならず,同時に種々の眼底写真撮影(カラー,FA,FAF,レッドフリー)ができる利便性を備えており,研究領域のみにとどまらず,臨床の現場において様々な眼科疾患の診断に最大限に貢献するとしている。