新菱冷熱は,北海道大学と共同で,「3Dレーザースキャナ配置計画支援ソフトウェア」を開発した(ニュースリリース)。
近年の建設業界においてBIM活用が進む中,3Dレーザースキャナーが現場の現状把握や既存施設の図面化に利用され,急速に普及している。同社でも2012年から運用を開始し,現在までに100現場以上の実績がある。
従来,3Dレーザースキャナーは,機器の裏側などレーザーが直接照射されない部分は計測できないため,一般的に複数個所へスキャナーを設置して計測するが,計測漏れを防ぐために計測箇所数が冗長となり,計測データが膨大となる傾向があった。
その上,計測には建築設備の知識と計測ノウハウが必要であったため,対応できる技術者が限られており,3Dレーザースキャナーの充分な活用ができていなかった。
改修工事で使用する場合は,計測対象の部位によって工事上の重要度が異なるため,重要度に応じた精度のデータを取得するのが効率的となる。例えば,冷凍機の入れ替え工事では,新しい配管と既設配管の継ぎ手部分などの取り合い箇所や,冷凍機・配管の周辺部分は重要度が高いが,それ以外は計測する必要がない。
そこで同社は,計測目的に応じユーザーが重要な部分を指定するだけで,スキャナーの配置場所を自動で計画する技術を開発した。これにより,200㎡程度の熱源機械室の機器入れ替え工事では,従来作業より短い1時間程度の計算時間で,精度の高い計画を誰もが簡単に作成できるようになったという。