新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と日本気象協会は,10月24日~26日の3日間,ドローン向け気象情報提供のデータ連携の実証試験とドローンによる気象観測の実証試験を,福島県南相馬市の福島浜通りロボット実証区域で実施する(ニュースリリース)。
ドローンの活用を物流,インフラ点検,災害対応などの分野で進めるためには,ドローンの安全飛行を妨げる突風や豪雨,雷,霧などの気象現象を,詳細かつ正確に把握し,予測することが重要であることから,日本気象協会は,ドローン向け気象情報を「把握」・「予測」・「提供」する技術の開発を進めている。
実験では,ドローン離発着場での地上気象観測とドップラーライダーによる上空の風観測を行ない,その観測データと実証エリア付近の気象予測をドローン運航者とドローン航空管制事業者へ試験提供を行なう。
具体的には,気象センサーにより地上気象の観測を行なうと共に,ドップラーライダーにより高度50~150mの風を測定し,雨,風などの予測データをドローン運航管理システムに試験配信を行なう。さらに,天気予報や気象情報を閲覧可能なPCを設置し,気象情報のニーズや課題を確認する。
また,気象センサーを搭載したドローンを飛行させ,高度50m,100m,140mの気象観測を行なう。この結果は,ドップラーライダーの観測との比較により精度検証を行ない,今後の開発に役立てていく。
今後,これらの実証試験で得られた知見をもとに,ドローン向け総合気象情報提供機能の開発を進め,ドローンの利活用拡大と安全で効率的なドローンの運航の実現を目指すとしている。