ソニーは,同社のフルサイズミラーレス一眼カメラ「α7S II」が,国際宇宙ステーション(ISS)の船外で4K(QFHD 3840×2160)映像の撮影に民生用カメラとして世界で初めて成功したとして,それらの映像を公開した(ニュースリリース)。
「α7S II」は,ISSの「きぼう」日本実験棟に設置された,新たな船外プラットフォーム用カメラシステムの内蔵カメラとして使われている。宇宙航空研究開発機構(JAXA)によって行なわれたさまざまなカメラの検証試験の結果,高真空・宇宙放射線・急激な温度変化など,宇宙ならではの過酷な環境に耐えうる耐久性と信頼性を保持することが確認され,採用に至っている。
「α7S II」は,種子島宇宙センターから2016年12月9日に打ち上げられたISS補給機「こうのとり」6号機によって運ばれたのち,2017年2月8日に「きぼう」の船外実験プラットフォームに設置された。現在も,約90分ごとに地球を1周しながら約400キロの上空で4K映像や静止画の撮影を行なっている。
「α7S II」は,ISO409600の高感度性能と広いダイナミックレンジに加え,光学式5軸手ブレ補正機能,画素加算のない全画素読み出しによる4K動画本体内記録機能を小型ボディに凝縮した35mmフルサイズ「Exmor®(エクスモア)」CMOSイメージセンサー搭載モデル。
欧州の「EISAアワード 2016-2017」の「ヨーロピアン フォト アンド ビデオカメラ 2016-2017」(EUROPEAN PHOTO & VIDEO CAMERA 2016-2017)を受賞するなど,発売以降国内外で高い評価を得ている。
宇宙空間のような低光量環境でも,ノイズの影響を最低限におさえたクリアな高画質撮影が可能になるため,例えば,宇宙からみる夜の地球などこれまで撮影が難しかった場面や,「こうのとり」などの補給機がISSに近づくシーンなどでも,鮮明な4K映像で記録することが期待されている。
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