オハラ,先進光学衛星向けに極低膨張ガラスを納入

オハラは,宇宙航空研究開発機構(JAXA)が進める先進光学衛星プロジェクト向けとして,この衛星のプライムメーカーである三菱電機に,極低膨張ガラスセラミックス「クリアセラム™-Z」を納品したと発表した(ニュースリリース)。

この製品は,温度変化に対する形状変化が極めて小さいゼロ膨張ガラスセラミックス。衛星に用いるカメラは,レンズではなくミラーで光を集めるため,過酷な宇宙環境下でも安定したゼロ膨脹材料が必要となる。この製品は,衛星に搭載される広域・高分解センサの大型ミラー材料に使用される予定。

この製品は,宇宙の起源に迫る世界最大の国際望遠鏡プロジェクト TMT(Thirty Meter Telescope)計画のミラー材(492枚のミラーを組み合わせ,直径30mのミラーとして使用)として採用されているほか,有機ELディスプレー(OLED)などの製造に使用するFPD露光装置,半導体露光装置のミラー材や構造部材としても使用されている。

先進光学衛星は,陸域観測技術衛星「だいち」(2006~2011年)の後継となる地球観測衛星で,2020年度の打ち上げに向けた開発が進められている。「だいち」と比べ大型・高性能化したカメラを搭載することで,広い観測幅(直下70km)と高い地上分解能(直下0.8m)の両立を目指しており,得られた画像は防災・災害対策等を含む広義の安全保障に活用される。

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