DMG森精機は,積層造形技術であるセレクティブレーザメルティング方式(SLM)を用いたレーザ金属積層造形機「LASERTEC 30 SLM」の受注を6月20日より開始した(ニュースリリース)。
この製品は,同社が2月に子会社化した独REALIZER社とのコラボレーションで生まれたアディティブ マニュファクチャリング(AM)機。材料を付加し3次元形状に造形するAM技術を搭載しており,部品点数の削減や製造工程の簡素化を実現する。出力はタイプにより400~1000W。
SLM方式は,材料粉末を一層ずつ敷き詰め,その後にレーザで照射して,任意の部分を溶融させる方式で,パウダーベッド方式とも呼ばれる。この製品は,300×300×300mmの積層容積,20~100μmの積層厚さにより,高精度な3D部品造形が可能。例えば工具が届かず,切削が難しいインペラや歯冠のような小物ワークの精密な造形が可能で,主に多品種少量部品や複雑形状部品に適している。
パウダー供給とパウダー回収機構をカートリッジ内におさめた材料粉末調整システムを搭載。これによりパウダーの再利用率を95%~98%に高めることができ,さらにカートリッジ方式のため,簡単にパウダーを交換することができる。
顧客にはパウダーの供給および加工・実験・製造データ等のデータベースを提供するほか,同社のガイドラインに従って,自由に日本および海外の高度な材料メーカーとお客様との直接の材料取引を行なうことができる。
この製品はワークの形状を高精密に造形するが,最後の仕上げ加工までを行なうことはできまない。しかし同社では,仕上げ加工までを含めたトータルソリューションをオプションで提供する。