偏光フィルム・位相差フィルムなどを製造するポラテクノは,新規高性能色素と配向技術により,ブルー光の透過性能を大幅に向上させた有機ELディスプレー(OLED)向け染料系偏光板の開発に成功した(ニュースリリース)。
OLEDは,自発光型ディスプレーであるため高い表示コントラストや視野角の広さ,バックライトが不要なことによる薄型・軽量といった特徴により,モバイル機器や大型テレビで普及しており,今後もさらなる成長が予想されている。
しかし,フルカラーを実現するレッド,グリーン,ブルーの発光材料の中で,ブルー光の発光効率には依然として課題があり,消費電力のほとんどがブルー光に費やされている。また,OLEDでは電極からの反射を抑制するために偏光板を備える必要があるが,従来の偏光板はブルー光の透過性能が悪いため,発光効率をさらに低下させ,低消費電力,長寿命化を妨げる原因となっている。
同社ではOLEDの発光効率の課題を解決するため,新規高性能色素と優れた配向技術により,ブルー光の透過性能を大幅に向上(従来比約20%向上)させた新規な染料系偏光板を開発した。反射防止性能と染料系偏光板の特徴である高温,湿熱環境下での安定性も併せ持つ。これにより,OLEDの低消費電力化,長寿命化,さらには車載ディスプレーのような高耐久用途への展開にも貢献できるとしている