東工大,レーザーで地球磁場の歴史を推測

東京工業大学は,液体の地球コアに元々大量に溶け込んでいたケイ素と酸素が,その後の冷却に伴って二酸化ケイ素として結晶化し続け,それがコアの対流を引き起こすことにより,地球には誕生間もない頃から磁場が存在していた可能性が高いことを突き止めた(ニュースリリース)。

これまでの研究から,地球の形成時において,重たい液体の金属鉄が地球中心部へと沈んで行く間に周囲のマグマと化学反応を起こし,マグマの主成分であるケイ素と酸素が金属中に取り込まれ,コアへと運ばれたと考えられている。

そこで研究グループは,レーザー加熱式ダイアモンドアンビルセルによる超高圧・高温実験により,ケイ素と酸素を含む液体鉄を,地球コアに相当する133-145万気圧と3,860-3,990ケルビンの超高圧高温環境下に置いたところ,二酸化ケイ素(圧力や温度によって様々な結晶構造を取るが,地表では石英)の結晶化が観察された。

コア最上部の液体鉄から密度の小さな二酸化ケイ素が結晶化して分離することにより,残りの液体の密度が大きくなり地球中心へと沈んで行く。これによりコアの中で金属の対流運動が発生し,電磁誘導作用によって磁場を形成する。

このようなメカニズムにより,地球はその長い歴史を通して磁場を維持し続けてきたことが明らかになった。一方,地球は磁場があるために太陽風による大気の散逸を免れ,その結果,海の蒸発も免れた可能性がある。

この研究により,惑星の大気や海の保持には,その誕生時に「金属コアがどのように形成されたか」が1つの鍵であることが示唆されるとしている。

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