東北大,メラニン色素の可視化ツールを開発

東北大学は,メラニン色素を可視化する新しいツールの開発に成功した(ニュースリリース)。

有害な紫外線から体を守るメラニン色素は,メラノサイトの内部に存在するメラノソームと呼ばれる特殊な小胞(袋)の中で合成されている。メラノサイト内で形成されたメラノソームは,隣接する皮膚を作る細胞・ケラチノサイトへと受け渡され,そこで沈着することによって肌の暗色化(日焼け)が起こる。

メラノサイト内でのメラノソームの輸送の仕組みに関しては,ここ十年ほどでかなりの部分が解明されたが,メラノサイトからケラチノサイトにどのようにメラノソームが運ばれるのかは未解明だった。

メラノサイト内のメラノソーム輸送に比べ解析が遅れている理由の一つとして,ケラチノサイトに受け渡されたメラノソームのみを効率良く顕微鏡で観察することが困難であることがある。

メラノサイト内のメラノソームを観察する抗体などのツールは幾つか知られているが,これらのツールではケラチノサイト内のメラノソームを効率良く認識することができなかった。

今回,研究グループはメラノソーム輸送を行う新規分子の探索過程で,偶然ケラチノサイトのメラノソームも認識できる分子を見出し,メラニン色素を可視化する『M-INK』と名付けて新しいツールの開発に成功した。

この開発により,ケラチノサイトに受け渡されたメラニン色素を3次元的に観察することが可能となり,メラノサイトからケラチノサイトへのメラノソームの受け渡しの分子機構の解明が飛躍的に進むことが期待されるとしている。

キーワード:

関連記事

  • 阪公大、光をナノスケールに閉じ込めて伝搬する手法を開発

    大阪公立大学の研究グループは、光をナノメートルスケールに閉じ込めて伝搬する「表面プラズモンポラリトン(SPP)」を可視化する新しい手法を開発した(ニュースリリース)。 近年、AIやデータ通信の発展に伴い、より高速で低消費…

    2026.07.03
  • 千葉大など、THz波でキラリティの空間分布を直接観測

    千葉大学、東北大学、物質・材料研究機構は、銀の微細な円盤を重ね合わせた「モアレ型メタ表面」という人工構造体を使用し、これまで計測不可能だった物質が持つ「右ねじれ」と「左ねじれ」(キラリティ)の空間分布を、テラヘルツ波によ…

    2026.06.12
  • 阪大など、超高強度レーザーとXFELでナノ構造内部のプラズマを直接可視化

    大阪大学、ネバダ大学、レーザー技術総合研究所、高輝度光科学研究センター、理化学研究所、関西大学は、ナノワイヤー内部で発生するプラズマの動的な挙動をX線自由電子レーザー(XFEL)を用いて直接可視化することに世界で初めて成…

    2026.06.04
  • エドモンド、レーザー用EDOFメタレンズを供給開始

    エドモンド・オプティクスは、レーザーシステム向けの焦点深度拡張(EDOF)メタレンズの在庫販売を開始した(製品ページ)。これまで高度なメタオプティクスは、その専門性の高さからカスタム開発による対応が一般的であり、導入には…

    2026.05.29
  • 京大、光超音波イメージングを用いてケロイドの再発兆候を三次元可視化

    京都大学の研究グループは、光超音波イメージングを用いて、ケロイドの再発に微小循環の高酸素化が生じることを明らかにした(ニュースリリース)。 ケロイドは難治性皮膚疾患の一つであり、強いかゆみや痛みを生じる。ステロイド局所注…

    2026.05.13

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア