大日本印刷(DNP)は,スマートフォンなどに搭載されている点光源のLEDを照射すると,表面に文字や絵などが浮かび上がり,真贋判定できる新しいタイプのホログラム製品「DNPホログラム LED判定」を開発した(ニュースリリース)。本年12月に販売を開始する。
各業界のメーカーは,模造品や海賊版の市場への流入を防ぐためにホログラムを使用し,真贋判定を行なっている。従来は、顕微鏡や特殊なフィルムなどを通してホログラムを見ることで真贋を判定する方法はあったが,これらのツールを全ての販売店や税関に加え一般消費者に配布することは難しく,より簡単に真贋判定できる手法が求められていた。
これに対して同社は,ハンディタイプLEDやスマートフォンなどに搭載された点光源のLEDを照射することで,表面に文字や絵が浮かび上がり,真贋判定を容易に行なえる新型ホログラムを開発した。ホログラムに微細な凹凸形状を施すことで,LEDの点光源の光を当てると,文字や絵柄が浮かび上がる。
ハンディタイプLEDやスマートフォンなどに標準搭載されているLEDを使って真贋判定ができるため,顕微鏡や特殊フィルムなど,特別なツールの普及にかかる労力やコストを省くことができる。
また,ホログラムの真贋判定の状況をスマートフォンなどのカメラで撮影し,それをメールで送付することで,遠隔地にいる関係者間でも情報共有できる。さらに,従来の工程を変えずに新タイプのホログラムを製造できるため,従来から大きくコストを上げることなく導入できるという。
同社では,マイクロ文字など従来からあるホログラムのセキュリティ要素と組み合わせることで,更にセキュリティレベルを向上させることができるとしている。