ソニーは,手術部位の視野(術野)を高精細に撮影する,医療施設向け4Kビデオカメラ「MCC-S40MD」を2017年3月1日に発売する(ニュースリリース)。オープン価格。
医療施設向け術野カメラとは,開胸・開腹などの手術における手術部位の視野(術野)を撮影するビデオカメラ。非常に細かい血管や神経をつなぎ合わせるような手術の映像では,細い糸や針先の位置関係やどのくらいの力で操作されているのか等,細部までの再現が重要であり,より高精細な術野カメラが求められている。
この製品は,高感度な1.0型裏面照射型CMOSイメージセンサー(総画素数 約2090万画素,有効画素数 約1420万画素(16:9))を搭載し,暗部でも高精細な4K映像を撮影できる。例えば,1/3型単板イメージセンサーと比べると約9倍の受光面積を持つ。また,高度な画像処理エンジンを搭載し,見たままの質感や細部までをより忠実に再現する。
さらに,4Kの高解像度に対応した光学12倍ズームの大口径レンズを採用した。非球面レンズを用いることで,映像のゆがみや色ずれを抑え,すみずみまで忠実な映像を再現する。さらに,映像を構成するすべての画素を解析して映像の解像度を向上させる独自の画像処理「超解像技術」を使ったクリアイメージズーム機能を搭載し,約20倍の高倍率ズームでも術野の撮影に適した焦点距離で,画質劣化の少ない撮影を行なえる。
自動露出補正機能を搭載し,露出調整が難しい無影灯下において適切な露出を実現した。さらに,ブレ補正や多彩な映像調整機能など,専用プロセッサーによる高度な信号処理をベースとした各種機能を搭載し,術野に最適な撮影を可能とした。
同社は,メディカル領域において,イメージセンサー,画像処理,IP伝送,ディスプレーなどの商品を展開している。医療用映像機器では,4K映像に対応した映像ソリューションを推進しており,この製品の導入により,術野カメラからモニター,レコーダーまで一連の商品が揃った4K映像ソリューションが完成した。