三菱重工工作機械は,新たなコンセプトの三次元(3D)金属造形システム「⊿WORKS concept(デルタ・ワークス・コンセプト)」を開発した(ニュースリリース)。
同社はオープンイノベーションの取り組みを加速しており,慶應義塾大学SFC研究所ソーシャルファブリケーションラボとの共同研究によりデルタフレーム構造とその制御技術について開発を進めてきたもの。
プロトタイプモデルを,11月17日(木)に東京・有明の東京ビッグサイトで開幕する「JIMTOF2016 第28回日本国際工作機械見本市」に出品し,デジタルファブリケーションをはじめ幅広い用途への適用の可能性を探っていく。
このプロトタイプモデルは,幅約2m,高さ約2.3mの三角柱状の基本構造を有し,3ヵ所の柱を上下するアクチュエーターで支持されているレーザーヘッドが三次元に動くことで加工を行なう。レーザーヘッドを他の機器と交換すれば,造形のほか溶接や加工といった種々の用途に適用することもできる。
また,ベッドやコラムといった重量構造物がなく,軽量,コンパクトな構成なため,可搬性が高く,一般事務所や仮設現場などの多様な使用環境に対応できるという。
制御にはオープンソースを活用して,制御装置にも汎用CPUを使用しており,操作はすべてWi-Fiで接続されたタブレット端末を通じて行なう。クラウド上の3Dモデルをダウンロードしてタブレット端末で操作するだけで造形することができる。
JIMTOF2016の展示会場では,3D金属造形について実演を予定している。デジタルファブリケーションへの適用を想定し,使用環境の多様さやデジタル情報から直接物を創り出すコンセプトをアピールする。