新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)プロジェクトにおいて,カネカは,結晶シリコン太陽電池モジュールで,世界最高となる変換効率24.37%を達成した(ニュースリリース)。
NEDOの「高性能・高信頼性太陽光発電の発電コスト低減技術開発」プロジェクトにおいて,カネカは,2020年に14円/kWh(業務用電力価格並),2030年に7円/kWh(従来型火力発電並)とする発電コスト目標の達成に向け高効率結晶シリコン太陽電池の技術開発を進めている。
これまでの取り組みの中で,結晶シリコン太陽電池(ヘテロ接合バックコンタクト型)セルにおいて世界最高の変換効率26.33%を実用サイズ(180cm2)で達成している。
太陽電池は,通常複数の太陽電池セルを接続し,強化ガラス等で表面を保護した太陽電池モジュールに組み立てて使用される。
今回の太陽電池モジュールは結晶シリコン太陽電池(ヘテロ接合バックコンタクト型)セルを108枚使い,さらにモジュール内での抵抗損失を最小限にするためのセル間配線技術やモジュールに照射された光の収集効率を高める技術などを新たに開発することで,結晶シリコン太陽電池モジュールとして世界最高の変換効率24.37%(モジュール面積13,177cm2)を実現した。
今回,NEDOが太陽光発電開発戦略(NEDO PV Challenges)で掲げる発電コスト目標(2020年14円/kWh)実現の目安の一つであるモジュール変換効率22%を世界で最も普及している結晶シリコン太陽電池モジュールで上回ったことは,今後発電コスト目標達成に向けて大きく前進するもの。
NEDOとカネカは,発電コスト目標実現に向け,引き続き太陽電池の変換効率向上,製造コスト低減,信頼性向上等の技術開発に取り組む。またカネカは,今回の成果を活用した高効率太陽電池の製品の実用化に向け開発を進めるとしている。