NTTぷららおよびアイキャストが運営しているスマートTVサービス「ひかりTV」は,10月24日より,HDR(High Dynamic Range)対応4K-IP放送の配信を開始する(ニュースリリース)。開始当初は,すでに4K映像作品として放送中の番組8本をHDR対応番組として配信し,以降順次番組ラインナップを追加していく。
同社のHDR対応の4K-IP放送は,放送用HDR技術方式であるHLG方式を採用する。HLG(Hybrid Log-Gamma)方式とは,日本放送協会(NHK)および英国放送協会(BBC)において共同で開発された技術方式。この技術方式を採用することで,HLG方式対応の4Kテレビだけでなく,HLG方式非対応の4Kテレビにも対象の番組を配信することができる。なお,HLG方式非対応の4Kテレビにおいては,4K画質で表示される。
「ひかりTV」は,2015年11月より国内で初めてHDR対応の4K-VOD作品を提供を開始し,現在は約20本の作品を提供している。今回開始するHDR対応4K-IP放送サービスでは,広いダイナミックレンジの表現を忠実に再現した配信を実現するための映像符号化技術についてNTTメディアインテリジェンス研究所と実験を進めてきた。また,社内において映像品質評価法に基づいた主観評価を繰り返し行ない,映像の調整を行なってきた。
このサービスの実現に向けて,すでに4K-IP放送サービスに採用していたH.265/HEVCリアルタイムエンコーダ「HC11000」(NTTエレクトロニクス社製)に,NTTぷららとNTTメディアインテリジェンス研究所で実験した成果を実装(ファームアップ)したことで,従来の4K-IP放送サービスと同様の速度を保ったまま,さらに高品質な映像を配信することが可能となったという。