JAI,SWIR撮像可能なInGaAsラインカメラを発売

ジェイエイアイコーポレーション(JAI)は9月5日,ラインスキャンカメラの新しい製品ラインアップ「Waveシリーズ」と,その初機種「WA-1000D-CL」を発表した(ニュースリリース)。

このシリーズのカメラでは,InGaAsセンサーを搭載することで,短波長赤外(SWIR)帯域の撮像が可能。InGaAsセンサーは,シリコンセンサー(CCD/CMOS)で光量子を検出できない場合でも,SWIR帯域の波長を検知する。

「WA-1000D-CL」は,SWIR帯域において,プリズムを通して分光することで,2つのInGaAsセンサーで2つの異なる波長の画像を同時に収集し,検査対象物の同じ箇所を正確に撮像する。生産ラインなどで対象物が高速で移動している場合でも同様な検査が可能。

センサー1が900nm~1400nmの波長帯域のSWIR光を検出し,同時に,センサー2が1400nm~1700nmの波長帯域のSWIR光を検出する。

2つのセンサでSWIR光を受けることで,「各種の化学成分におけるSWIR光の吸収レベルがそれぞれ異なる」という事実を異物などの発見に利用できるようになる。この光の吸収レベルの違いにより,特定の対象物の異なる波長の2つの画像において明暗に違いが生じ,この明暗の差を検査基準として利用できる。

このカメラは画素サイズが25.0μmx25.0μm,レンズマウントはM52,カメラリンクインターフェースを通じて2×8ビット,2×10ビット,2×12ビットのビデオ出力をサポートする。最大ラインレートは39kHz (39,230ライン/秒)。 外形寸法は,90mmx90mmx117mm。重量は910g。

食品産業での商品の選別や汚染検出,医薬品産業での品質検査,廃品分別などでの使用を想定している。