産総研,フッ素系ガス検知技術を開発

産業技術総合研究所(産総研)は,最先端の半導体製造プロセスにおいて用いられているエッチング用のフッ素系ガス成分を,選択的かつ高感度(2ppmを1分以内)に検知できる検知剤を開発するとともに,開発した検知剤を搭載したコンパクトな漏洩検知器を試作した(ニュースリリース)。

C4F6,C5F8などのエッチング用のフッ素系ガスを使用する現場では,ガス漏洩検知器を設置して使用時の室内の濃度を管理しているが,冷媒や洗浄剤に含まれるフッ素系ガス成分にも反応してガスを誤検知することがある。

今回開発した検知剤は,フッ素系ガス分子の二重結合と反応して新たな共役系分子を生成し,その結果,紫外線から可視光の波長での吸光特性を変化させる。

この検知剤を染み込ませたろ紙にエッチングガス成分を接触させると,ろ紙の色が白色から褐色に発色する(反射率が低下する)。この反応は敏感で早く,わずか2ppm(0.0002%)の濃度のエッチングガス成分(C5F8)でも,1分以内に色が変わり(1分で約4%の反射率変化),ガス成分を検知できる。

しかも,発色の程度はエッチングガスの濃度と0~50ppmの間で比例関係にあることから,対象とするガスの濃度を知ることもできる。

開発した漏洩検知器は,このろ紙をLEDで照らして反射光の強度を測ることで,色の変化すなわち,微量なエッチングガス成分を検知できる(光電光度法)。

同じフッ素系ガス成分(液体の蒸気を含む)でも,冷媒や洗浄剤として使われるパーフルオロカーボンなどは,二重結合を持たず単結合のみからなることから開発した検知剤と反応しないため,冷媒を交換する際にも誤報を発することがない。

この原理は,C4F6,C5F8より高性能な次世代のフッ素系エッチングガス成分や,他のハロゲン系ガス成分でも同様に適用できると考えられ,反応性が高く生体への影響が懸念されるガス成分にのみ応答する漏洩検知技術として幅広い応用展開が期待されるとしている。

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