千葉大学は,独マックス・プランク植物分子生理学研究所との共同研究により,有害な紫外線から植物の花を守る作用のある新規のフラボノイド類をモデル植物シロイヌナズナから単離同定した(ニュースリリース)。
さらに,このフラボノイドを生合成するために必要な遺伝子を同定し,このフラボノイドと生合成遺伝子は,強い紫外線があたる地域に生息する自然変異体にだけ見いだされることを明らかにした。
この生合成遺伝子と似た配列の遺伝子は他のアブラナ科植物ゲノムにも見いだされ,アブラナ科植物の紫外線に対する適応進化について詳細な研究が期待されるという。
このように異なる自然変異体に特徴的に紫外線ストレスと相関して蓄積される防御機能を有するフラボノイド類とその生合成遺伝子が解明されたのは初めてだという。
これは,アブラナ科植物が有害な紫外線に対して適応進化してきた事が示唆されるもので,紫外線に対する防御機能の進化について詳細な研究が期待されるとしている。
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