東北大ら,極微細蛍光内視鏡システムを開発

東北大学とルシールが共同で研究・開発した「極微細蛍光内視鏡イメージングシステム(Ultra-thin Fluorescence Endoscope Imaging System:U-FEIS)」(特許出願中)が商品化され,ルシールより販売される(ニュースリリース)。

「U-FEIS」は低侵襲の極微細内視鏡部と専用小型イメージングシステム,画像取得用カメラ,蛍光色素励起用レーザーとで構成されている。

内視鏡部分は,外径350µmの極微細レンズと,1万画素数のイメージファイバーにより構成され,細胞の活動を十分に認識する2µmレベルの空間分解能を持っており,低侵襲と高空間分解能を両立させた内視鏡。

専用小型イメージングシステムは約30cm四方程度の大きさであるため,実験動物のすぐ横に運ぶことができ,場所にとらわれずどこでもイメージングをすることが可能。

これらの装置群をイメージングシステムとしてパッケージ化し,光伝送効率を最大限に追求した結果,微弱な蛍光を発する個々の細胞を見分けることができ,脳深部での神経活動の多細胞イメージングが可能となった。

更にシステムとしての一体性と操作性を追求した結果,高度な専門知識や技術が不要で,かつ再現性の高いデータを簡便に取得することが可能となったとする。

in vivo(生体内)研究および臨床での利用場面を想定し,小型化による可搬性を重視した設計となっており,今後脳の活動における神経細胞のはたらきの解明や,単一細胞レベルでのがん細胞の観察等に,大きく貢献することが期待されるとしている。

関連記事「東大,スプレーするだけでがんを光らせる蛍光試薬を開発